フルサイズ用レンズに例えると85mm f1.4と同じ用途のレンズ。とても端正な写りだと思う。レンズテスト風に言うと、「開放から極めてシャープ。2段も絞れば周辺まで解像し、周辺減光も解消する」・・・といった感じ。書いてしまえば良くある感じだけど、このレンズの「開放からシャープ」はちょっと次元が違うレベル。自分の経験で言うとαの85mmZAは開放だとハイライト部のパープルフリンジがすごかったけど、このレンズにはそれがない。実売で2万円ちょいという価格を勘案すると、写りが良いだけでなく、かなりお得でもある。
(コンパクトながら大口径中望遠らしく絞りを開くとレンズの向こうが透き通る。その辺のスームレンズとは佇まいが違う)
もともと中望遠が好きだ。付けっぱにしたいくらい好き。α900で85mm f1.4ZAを使っていると、ファインダーの見えと相まって、脳みそがアドレナリンに満たされる実感がある。とはいえ装備重量で2Kg近いカメラ一式をいつも振り回すのはしんどいし、なによりも85mmレンズって寄れないのがストレスだった。
そう、中望遠だけでなく寄れるレンズも好きだ。ネット上の評判では「写りはすごいけどもっと寄れればよかった」という意見を散見するけれど、一般に中望遠レンズの最短撮影距離はおよそ85cm。対してM.ZD45mmは50cmと、30cm以上被写体に近寄れるわけだ。50cmというのはかろうじてテーブルフォトに使えなくもない撮影距離だと言える。「この中望遠、超寄れて便利じゃん」というのが僕の実感。
(とりあえずM.ZD45mmの寄りの例。もちろんノートリミング。フルサイズの中望遠だともっと引きの絵に)
M.ZD45mm f1.8を手にして僕は、マイクロフォーサーズも結構面白いシステムを組めるようになったな、と思った。
システム化を考えた場合、広角~望遠はひととおり単焦点で揃えたいところ。これまで中望遠というと、Macro-Elmarit 45mmしかなかったけれど、マクロなので明るさがf2.8と、ちょっと心もとなかった(もちろんマクロとしては深度が深いほうが便利)。
だけど45mm f1.8が(極めて安価に)リリースされたおかげで、僕らはM.ZD12mm、Summilux 25mm、M.ZD45mmのトリオを組める。全部新品で買っても15万円くらいだろうか? かなりリーズナブルだと思う。もちろん12mmをパナ14mmに、そしてSummiluxをパナ20mmに置き換えてもOKだし、これなら10万を切る価格で一式そろういそうだ。書いてみて思ったけどいい組み合わせだなこれ・・・。
ただ僕はマクロも好きなのである。ポートフォリオにマクロを組み込まないわけにはいかない。愛しいZD50mmマクロの写りは最高だけれど、PENでの運用を考えるとAFが心もとない。かといってMacro-Elmaritを入れると高くつくし、画角も(M.ZD45mmと)かぶってしまう。
そこで目に止まったのが、昨年秋に衝動買いしたGXR+A12 50mmである。こいつをSummiluxの代わりとし、PENには広角と中望遠を割り当て、標準とマクロはGXRの分担とする。2台持ち歩いてもコンパクトだし、レンズ交換の手間も大きく省ける。どの領域でも写りの質は珠玉である。撮像素子にゴミが付着する心配もない。足りないのは自分の腕とセンスだけ(悲)だといえ、心置きなく趣味に没頭できるというわけだ。
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