Summilux VS フルサイズ50mmに引き続き、それぞれのマウントで大三元の中心を担う標準レンズについて解像感を比較。くしくも両者、呼称に“Z”がつくレンズ。
撮影時の設定は前回と同じ。今回は屋内のため、三脚にセットし、手ブレ補正をオフとした。画角は迷った上で、一般的に解像感が下がりやすい望遠端70mmをチョイス。絞りはf2.8、f4.0、f5.6、f8.0、そしてf16。なお14-35mmのみf2.0でも撮影。
(全体の画角はこんな感じ。中央部を等倍トリミングして比較。E-5&ZD14-35mm)
ではまず24-70mmZAから、絞りは上からf2.8、f4.0、f5.6、f8.0、そしてf16。なお花弁よりも、その周囲のホコリに注目して見比べてほしい。特に中心部より向かって左がわにあるU字型のホコリが分かりやすいかも。
では次に、ZD14-35mmを。絞りはf2.0、f2.8、f4.0、f5.6、f8.0、そしてf16。ZDは開放f値が明るいため、f2.0があることに注目。
いかがだろうか? それぞれを仔細に見ていくと、中心部とはいえ開放は像が甘くf8.0以降から解像感を高める24-70mmZAに対し、14-35mmは開放f2.0から高い解像感を見せ、f4.0で最大の解像感を迎える。こちらは逆にf5.6から像がゆるくなる兆候があり、f8.0以降は回折の影響か解像感が下がる。
撮影技法のセオリーどおり、絞るにつれて解像感を増す粘り腰のZAと、開放から最大の解像感を叩き出す先行逃げ切り型のZD。三脚か手持ちか? 深度が必要か不要か? といった撮影状況の違いにより、両者の並存意義は十分にあると感じる。
ただやはり「f2.0通しで使える標準ズーム」としてのZD14-35mmには絶大な魅力がある。フルサイズのf2.8より高い解像感を見せる性能がそれを裏打ちしている。今回の比較はあくまでも個人レベルで行ったものなので超厳密とはいえないものだけれど、僕にはフルサイズのf5.6よりもフォーサーズのf2.0がシャープに見える(これは日常の撮影時の実感とも一致する)。
E-5がリリースされ、その評判も高いとはいえ、いまだ先行きの不安がぬぐえないZuiko DIgitalだけれど、僕は「せっかく明るいレンズを買ったら開放から使いたい!」と感じるタイプだ。開放値こそが高性能なレンズを支えるフォーマットの火を、絶やしてはいけないと思う。
Maaasyaさん、
あけましておめでとうございます。
旧年中はたいへんお世話になりました。
今年もよろしくお願いします。
さて、非常に興味深い記事だと思います。
14-35mmですが、F5.6くらいで解像度マックスな気はしています。
ただ、F11くらいまでは、なだらかに落ちていく気がします。
それと、E-5の場合で、明確に回折の影響といえるのは、F16以降な感じもします。
E-3/E-30よりも、回折と言える鈍さが低減している気がしています。
それと、ボケ味になるのでしょうが、単純に背景を溶かしてしますフルサイズのボケは、絞って背景を活かして出そうとすると、キツイ背景ボケとなりますが、
14-35mmの場合、溶かすボケは出来ない代わりに、背景を滲ませる〜背景をややボカす〜背景をクッキリ残すまでの変化が連続していて、いずれにおいても、キレイな背景になるのが気に入っています。
投稿情報: Kiyo | 2011/01/01 13:28
Kiyoさん、明けましておめでとうございます。
しばらくPCがない環境にいたためお返事が遅れました。ご容赦ください。
わたしは以前、母(撮影に関してはシロート)から、「お前の写真はボケすぎで、どこで何をどのような意図で撮ったかが分からない。こんなのはいい写真じゃない」と言われたことがあり、今では節度あるボケ量となる4/3の描写を好ましく感じています。最近ではフルサイズは、フイルム時代への郷愁を味わうために50mm f1.4だけあればいいかも・・・と感じています。
投稿情報: Maaasya | 2011/01/05 11:10
Maaasyaさん、
そうですね、35mm版のフィルムや、フルサイズでのボカしは、ボカすというよりも、背景を溶かしていますからね。
お母さんに、一票です。
私も、背景がなくなるよりも、背景がキレイに残ることが重要と思っています。
そうそう、新年を機会に、blogを、2011年バージョンに新装開店しました。
Kiyo's blog 2011
http://kiyo2011.blog.so-net.ne.jp
今後ともよろしくお願い致します。
Kiyo
投稿情報: Kiyo | 2011/01/05 15:02
Kiyoさん、コメントありがとうございます。
blogも2011バージョンということで、シックな感じにリニューアルされましたね。今年も楽しみに読ませていただきます。
ところで50mmマクロを入れられたとのこと、おめでとうございます。
14-35mmとは画角や最大撮影倍率をフォローしあえるレンズですから、一緒に持ち出すのに最適ですよね。「14-35mmがf2.0まま50mmまで伸びて、かつ寄れるようになった」ような使い方ができますから、わたしも愛用しています。
そういえば以前、オリンパスの方とお話した時に、「(14-35mmと50マクロが)一番好きな組み合わせ」と仰っていたことを思い出します。
投稿情報: Maaasya | 2011/01/06 00:37